どうして英語の成績が下がってしまうのか (1)

 

中学や高校で学年が上がるにつれて、なぜか英語の成績が下がってしまったと感じる方は少なくありません。そうした方に共通して見られる傾向の一つとして、今回は「英文法の理解が曖昧で文章理解が浅い」という点をご紹介します。

例えば、体験授業で「関係詞は理解できていますか」と聞くと、多くの高校生が「分かります」と答えますが、それは関係詞の選択問題が感覚で解ける程度で、関係詞を用いた正確な英文をスラスラ書く段階に至っていないケースがほとんどです。

 

模試や学校の実力テストでは蓄えてきた英文法知識を活用し、瞬時に英文を理解し、適切な用法で英文を書く能力が求められます。文法体系を能動的に説明できなかったり、問題を解くのに時間がかかると、高得点にはつながりません。

 

「英文法を理解している」とは、「文法問題集や参考書の内容を隅々まで覚えている」ということであり、そのレベルを目指す意識がなければ、学年が上がるにつれ難化する試験についていけなくなる可能性が高まります。現に英文法理解に問題を抱えた状態で入会してくださった本校生徒様の多くが、英文法知識を高め、精読力をつけたことで英語の得点が伸びています。

 

もちろん英文法学習にそこまで力を入れずとも、幼少期から英語に触れ、高い英語力を身につけた日本の子どもはいます。そのような方が同級生に英語上達の秘訣を聞かれたら「英文法を意識しなくても、英語に触れる時間を増やせば必ず理解できる」とアドバイスしてくれるかもしれません。

 

しかし、語学の先天能力には個人差があり、同じ教育を受けても到達度には差が出てしまうものです。一般的に、日本の中高生が英語の文構造が分からないまま、中級上級の英文を正確に書き、細かな意味をとることはおそらく不可能でしょう。早期英語教育を受けたものの中学、高校の難易度への対応ができていない方は、小学生向けから中高生向け英語カリキュラムへの移行がうまくいっていない可能性があります。幼児・ 小学生英語教育では中高で学ぶ複雑なテーマの英文や語彙が扱われることはあまりないので、多くの中高生に起こり得ることです。

 

普段から感じていることなのですが、日本の教育現場では英語のモノリンガルではなく、日本語を母語とした日英バイリンガルを育成するという方針が大切にされるべきです。シンガポールやオランダなど英語環境が充実した国とは異なり、日本では子どもたちが混乱しないよう外国語としての英語が丁寧に教えられなくてはなりません。

 

 

 

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